年間500万冊の母子手帳配布 イの経験を世界へ 90年代からJICA支援

 1990年代から国際協力機構(JICA)がインドネシアで導入を支援してきた母子健康手帳がすっかり定着、安全な出産や母子の健康維持に欠かせない存在となっている。年間配布数は日本の約5倍、約500万冊に達し、インドネシアの事例を参考にして他国での普及も進んでいる。

 日本で生まれた母子手帳は現在、世界約40カ国で導入されている。海外初の導入先がインドネシアだった。1994年に中部ジャワ州サラティガ市で試験導入されたことをきっかけに、全国展開を開始。2004年には、母子手帳の利用を定めた保健大臣令が出て普及促進につながった。
 母子手帳が定着してきたインドネシアは07年以降、アジアやアフリカの国々を対象に研修を実施し、経験を伝える取り組みを行っている。これまでにアフガニスタンやケニア、ミャンマーなどから担当者が計8回来イ、病院やプスケスマス(診療所)での活用状況を視察するなどした。
 アジア地域の保健協力を担当する、JICAの吉田友哉さんは「インドネシアでは全国で母子手帳が使える体制になっている。一番歴史も古く、トップバッターなので、できるだけ他の国に経験を伝えていってほしい」と期待する。
 JICAのプロジェクトが終了した09年以降は、保健省が独自に母子手帳を運用してきた。昨年は、インドネシア側だけで改訂した手帳を初めて発行した。国内の医師会や助産師協会と協力して作られた手帳は、子どもの虐待防止や発達についてイラストを交えて解説するなど、趣向を凝らした。
 保健省は今後も5年に1回程度、改訂を行っていく方針で、吉田さんは「改訂しながら、インドネシアに合ったものにしていってもらいたい」と話す。
 母子手帳は現在、インドネシア国内で年間約500万冊を印刷・配布している。JICAの試算では、世界で年間約900万人に配布されており、その半数以上をインドネシアが占めることになる。
 保健省が昨年、国内6州で実施したサンプル調査によると、妊婦・母親の8割が母子手帳を持っていた。同省のエニ・グスティナ家族保健局長は「妊婦全員が母子手帳を持つようにしたい。胎児の時から成人するまでの記録を皆が持つことが理想」と意気込む。
 全国的に定着し、インドネシアに根付いてきた母子手帳。1995年以降、インドネシアで母子手帳の導入に携わってきた、JICA専門員の尾?敬子さんは、日本で母子手帳が学校教育に取り入れられている例を挙げ、「インドネシアでも課題を解決するために使っていってほしいし、そこから私たちも学びたいと思います」と話した。(木村綾、写真も)

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