「思い出は宝物」 JJS卒業式 200人が新たな進路へ
バンテン州南タンゲラン市のジャカルタ日本人学校(JJS、齋藤稔校長)は15日、卒業式を開いた。小学部6年131人、中学部3年69人の200人が学びやから巣立ち、それぞれの進路に向けて新たに歩み始めた。
式には希望者がおそろいのガウンを羽織って臨んだ。齋藤校長は式辞で昨年亡くなった元横綱、千代の富士の「きょう良い稽古をしたからって明日強くなるわけじゃない。でも2年、3年先に必ず報われる」と語ったエピソードを紹介し、諦めずに努力を続けていくことの大事さを伝えた。
小学部卒業生たちは、皆で順番に言葉をつむいで学校行事を振り返る「小学部お別れのことば」を披露、次期6年生に対して「多くの人と出会え、思い出を作れたJJSは私たちの宝物。より良い小学部を築き上げてください」とエールを送った。
中学部送辞では中学部2年の茂木千晴さんが、卒業生に学校行事を通して多くのことを学ばせてもらったことを振り返った。「体育祭のダンスの振り付けを繰り返し教えてくれた。組み体操では負けるな、と励ましてもらい団結できた」と感謝し、笑顔でそれぞれの進路への門出を祝った。
中学部卒業生答辞として深田礼さんが壇上に上り、高校受験という試練に向き合ったことを回想した。不安と戦いながらも両親や教師など周囲の人たちに支えられて乗り越えることができたことを語り、「これから幾多の試練と向き合っても乗り越えていく」と誓った。最後は校歌「椰子の葉かげに」を皆で歌った。
式終了後、在校生がリコーダーの演奏をしながら卒業生を見送る恒例の「送り出し」があり、卒業を祝うくす玉が割られた。
卒業生の猪飼秀朗さんはJJSで過ごした2年間を振り返り、「応援団で旗手を務めたことが一番の思い出」と話し、「最初は不安だったが、皆と仲良く学校生活を送ることができた」と笑った。
小学部5年から5年間JJSに在籍した上保周平さんは、卒業後日本の高校に進学する。「途中で友達が転校していってしまう寂しさはあったが、充実した日々を過ごせた」と語り、「インドネシア語を勉強して検定D級を取得することができた。将来的にもインドネシアと関わりたい」と抱負を語った。
3月で任期が終わるため、最後の卒業式となる齋藤校長は「子どもたちは式中、多くの人に感謝の言葉を述べていた。優しさを持ち続けて頑張っていくでしょう」と話した。
式には在インドネシア日本大使館の赤松秀一総括公使やJJS維持会の亀谷佳津美理事長ら関係者が出席した。(平野慧、写真も)