地滑りで12人死亡 大雨で地盤緩む バリ州バンリ県

 9日午後11時ごろ、バリ州バンリ県キンタマニ郡で地滑りがあり、民家4戸が土砂に埋まり、3戸が損壊した。内部にいた住人のうち、少なくとも12人の死亡が確認された。降り続いた大雨の影響で地盤が緩んだとみられる。同州災害対策局(BPBD)や警察、国軍などが救出活動を続けている。国営アンタラ通信が10日、報じた。 

 被害が大きかった同郡ソンガン村では民家2戸が埋まり、3戸が損壊、1、7歳の子どもとその母親(33)、40歳の夫婦とその子ども(20)、住民(40)の計7人が死亡した。このほか4人が重軽傷を負って病院などで手当てを受けた。
 隣接するアワン、スカワナ両村でも、計2戸が土砂に埋まり、中にいた子ども(10)と母親(27)ら5人が死亡した。
 これら3村では、BPBDなどによる救助活動と道路などの復旧作業が続いている。ソンガン村には被災者用の仮設テントが設置された。
 また、バンリ県西隣のタナバン県では、9日に地滑りと洪水が発生。10日時点で、デンパサール市からブレレン県シンガラジャに向かう幹線道路が土砂崩れで寸断され、通行できない状態になっている。
 気象庁(BMKG)バリ州支部によると、オーストラリア西部海域で発生した熱帯低気圧の影響で、バンリ県周辺では、24時間雨量145ミリの大雨が降ったため地滑りが発生したとみている。依然として周辺海域の水温は高く、積乱雲が発生し続けると予測している。(中島昭浩)

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