「新時代を作りたい」 案件の障害なくす 日本担当特使のゴーベル氏

 インドネシア政府の日本担当特使に任命されたインドネシア日本友好協会(PPIJ)のラフマット・ゴーベル理事長(54)が16日、南ジャカルタの自宅でじゃかるた新聞のインタビューに応じ、「日本との懸け橋となって新しい時代を作っていきたい」と抱負を述べた。

 特使の役割についてゴーベル氏は「中央政府をサポートして、案件が実行できる形を作ることが大切」という。15日に西ジャワ州ボゴールの大統領宮殿(イスタナ・ボゴール)で行われた日イ首脳会談で協議されたジャカルタ〜スラバヤ間の鉄道の準高速化構想や西ジャワ州のパティンバン新港などについて、「双方の思いがなかなか一致しないことがある。それを実行できるようコミュニケーションを図り、最終的にどうやったらできるのか、担当相を支援する」と述べた。
 駐日本大使との違いについて、「大使は政治が中心になるが、特使は経済、文化、社会の分野が中心になる。中央政府同士の懸け橋だけでなく、地方と地方の懸け橋も重要で、インドネシアと姉妹都市を結んでいる日本の地方自治体を中心に日本全国を回りたい」と述べ、今後は日本とインドネシアとの往復生活になりそうだ。また、「インドネシアに輸出したい日本企業は多いが、輸出の手続きなどが障害になっているケースがある。専門家を連れて日本各地を訪問し、そうした障害をなくしていきたい」と話した。
 日本が官民挙げて推進していたジャカルタ〜バンドン間の新幹線計画を中国が受注したことについてゴーベル氏は「中国の影響が強かった。また、当時は商業相だったので、推進する立場になかった」と振り返った。また、「大臣は交代することがよくある。特使であれば、継続して案件を扱うことができる」と話した。
 来年、国交樹立60周年を迎えることについては、PPIJや元留学生協会(プルサダ)として、四つのイベントを日本側に提案していると明かした。ジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)などと共催している人づくり、ものづくりセミナーの拡大▽映画や演劇を通じた大型の文化交流▽国会議員やメディア関係者の交流▽環境問題関連などの最先端技術の導入――で、「特使としても外務省や日本側と協力して進めたい」という。インドネシアも温室ガス削減に取り組んでおり、「日本は環境問題に関する技術を開発してきた。インドネシアには資源がある。だからこそ協力が必要だ」と話した。(田嶌徳弘、写真も)

 ラフマット・ゴーベル氏 1987年、中央大学商学部卒。94年、ゴーベル・インターナショナル社長に就任し、インドネシア商工会議所(カディン)副会頭などを経て2014年、ジョコウィ政権発足時に商業大臣就任。インドネシア日本友好協会(PPIJ)理事長、パナソニック・ゴーベル・インドネシア社監査役会会長。ジャカルタ特別州出身。54歳。

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