離島開発協力で一致 円借款740億円を供与 ボゴールで日イ首脳会談

 アジア太平洋地域を歴訪中の安倍晋三首相は15日、西ジャワ州ボゴールの大統領宮殿(イスタナ・ボゴール)でジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領と会談した。離島開発や海上安全保障分野などで協力を深めることで一致。約740億円の円借款供与を発表した。

 約2年半で6度目となる首脳会談で、両国が戦略的パートナーであることを強調した。少人数会合と首脳会談で、合計約1時間会談した。中国が海洋進出を強める南シナ海問題では、少人数会合で込み入った話し合いが行われ、法の支配に基づいた解決を目指す方針を確認した。
 中国の違法操業が目立つリアウ諸島州ナトゥナやアチェ州サバン(ウェ島)、北マルク州モロタイなどの離島開発で連携することで合意。年内にジャカルタで外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を開催することでも一致した。さらに安倍首相は円借款3件を含む合計約740億円の供与を表明した。
 「首脳会談では、三つの覚書を結びたい」(ルフット・パンジャイタン海事調整相)としていた経済分野の各案件について、具体的な覚書は結ばれなかったもようだが、日本側はジャカルタ〜スラバヤ間(約720キロ)における既存鉄道の準高速化構想について「日本側の技術で支援したい」と言及。ジョコウィ大統領は「日本側の提案を期待している」と語った。
 西ジャワ州パティンバン新港は、日本とインドネシア企業の合弁企業で運営する方針を確認した。国際石油開発帝石(INPEX)が主導する東南アジア最大級のガス田・アラフラ海のマセラ鉱区も議題に挙がったが、覚書は結ばれなかった。共同記者発表後、イグナシウス・ジョナン・エネルギー鉱物資源相はじゃかるた新聞の取材に「覚書はまだ。3週間以内に結ぶ」と見通しを示した。
 また、両国は日本や中国など16カ国で交渉中の東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉で質の高い協定の妥結に向けて協力する。米国のドナルド・トランプ次期大統領と密接に連携を図ることでも一致した。
 ジョコウィ大統領は共同記者発表で二重課税問題や2国間の経済連携協定(EPA)の見直しについても言及した。(佐藤拓也、リンダ・シラエン)

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