卒業生 母校の教壇に アチェの無料日本語教室 9年前入学の1期生ら 教師不足の課題克服に一役 (2016年12月26日)

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 26日で発生から丸12年になる2004年のスマトラ島沖地震・津波。直後から被災孤児の支援を続けるアチェ州の非政府組織(NGO)の無料語学教室「晃月スクール」では、小学〜大学生の約120人が日本語や英語を学んでいる。スクールが開校したのは07年8月。既に9年がたち、母校で教壇に立つ卒業生も出始めた。

 スクールは、NGOロストチルドレンオペレーション(LCO)が現地で運営し、京都市の民間非営利団体(NPO)「良心、市民の会」が支援している。
 週3回、アチェブサール県プカンバダの中学校校舎を放課後に借り、英語と日本語の2コースに分かれて学ぶ。課題は日本語教師の不足で、LCOのアフマッド・ファウジ代表(36)は「首都圏に比べて日本語学習者が少なく、教師の訓練が難しい」と話す。
 日本語のアシスタント教師、ヤンティさん(22)は、10年に卒業した第1期生12人の一人。入学のきっかけは、震災後の海外からの支援だった。「アチェにたくさんの国の人が助けに来てくれて、話しかけてくれたけど、あの時はイエス、ノーしか言えなかった」
 当時中学1年。英語で外国人と話がしたいとスクールに入ったが、入学後に勧められた日本語が面白く感じ、日本語コースに3年間通った。看護学校を卒業し、「ヤンティ先生」としてスクールに戻ってきた。
 ノエラ・ナディアさん(23)も高校3年間、スクールに通い、卒業後の12年からアシスタント教師を務める。「アチェにはまだ日本食が少ない。いつか日本食レストランを開きたい」。大学で料理を学ぶ傍ら、スクールで日本語を教える。
 スクールを支える卒業生の力は大きく、13年には同窓生団体が発足。現在102人が所属し、近隣小学校で日本語や英語を教えるボランティア活動も行う。
 スクールでは現在、98人が英語、24人が日本語を学ぶ。「スピーチコンテストで優勝したり、日本に留学したりする子どもたちも出てきたんだ」。ファウジ代表は、事務所の一角にずらりと並ぶコンテストのトロフィーを誇らしげに眺めた。(木村綾、写真も)

中学校の教室を借りて行われる英語の授業の様子
中学校の教室を借りて行われる英語の授業の様子

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