モナスで20万人集会 大統領、参加者たたえる 豪雨の中、ムスリム祈りささげ 「アホックを逮捕しろ」連呼も

 中央ジャカルタのモナス(独立記念塔)広場で2日、イスラム団体主催の合同祈とう集会が開かれ、全国から約20万人(国家警察推定)が参集した。参加者は宗教冒とく罪で起訴されているアホック・ジャカルタ特別州知事の逮捕を訴えた。事態を重く見たジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は自ら集会に駆け付け、参加者に感謝の意を表した。  

 合同祈とう集会は午前8時ごろから始まり、全国からムスリムが足を運んだ。計約2万2千人の治安部隊との衝突はなく、集会は平穏に行われたが、参加者は度々こぶしを振り上げ、「アホックを投獄しろ」「アッラーフ・アクバル(神は偉大なり)」などと叫んだ。
 参加者の前で説教したイスラム強硬派団体・イスラム擁護戦線(FPI)のハビブ・リジック・シハブ代表は集会の目的を「国を守り、コーランを守るため」と強調。キリスト教やヒンドゥー教、仏教にも触れ「いずれの宗教も侮辱されるべきでない」「全ての人々が互いに尊重し合わなくてはいけない」などと主張し、アホック氏の逮捕を訴えた。
 途中から豪雨に見舞われた祈とう集会には、ジョコウィ大統領が急きょ駆け付けた。大統領は午前11時40分ごろ、傘を差してユスフ・カラ副大統領やウィラント政治・法務・治安調整相、ルクマン・ハキム宗教相ら閣僚と共にイスタナ(大統領宮殿)からモナス広場へ向かった。約30人の警護隊に付き添われ、約750メートルの道のりを徒歩で往復した。
 祈とう集会で大統領は「国の安全のために祈りをささげてくれてありがとう。(集会に)秩序を守って参加している全ての方々に感謝する」と述べた後、「アッラーフ・アクバル」と連呼した。ハビブ・リジック氏は「ジョコウィ氏の出席に感謝したい」と述べた。
 ハビブ・リジック氏率いるFPIなどのイスラム団体は11月4日、モナス周辺で5万人規模の反アホック氏デモを実施。この際、大統領はデモ隊代表らとの面会に応じなかったことから、イスラム団体や国会から反発を招いていた。このデモは過去最大規模だったが、今回の集会はさらに大きく、イスラム勢力のパワーを見せつけた。
 キリスト教徒のアホック氏は9月末、コーランの一節に言及し、これを利用して選挙戦で同氏へ投票しないよう呼びかけているムスリムがいると示唆。この発言を受けてイスラム団体らが10月初旬に同氏を告発し、全国で反アホック運動が広まった。アホック氏は11月16日に宗教冒とくで容疑者認定、同30日に起訴された。最高検は同氏の身柄を拘束しない方針で、近く公判が開かれる。(木村綾、写真も、8面に関連)

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