三つどもえの争い ユドヨノ氏長男アグス氏 アニス前教育文化相が出馬 ジャカルタ知事選

 統一地方首長選で行われるジャカルタ特別州知事選(2017年2月15日投開票)の候補者登録が23日、締め切られた。民主党など4党がユドヨノ前大統領の長男アグス・ハリムルティ・ユドヨノ氏(38)、グリンドラ党と福祉正義党(PKS)がアニス・バスウェダン前教育文化相(47)の擁立を決め、現職のアホック知事(60)=闘争民主党(PDIP)など4党擁立=と三つどもえで争う構図が固まった。

 アグス氏は副知事候補にシルフィアナ・ムルニ・ジャカルタ特別州知事補佐官(観光文化担当)(57)、アニス氏は実業家のサンディアガ・ウノ氏(47)とそれぞれ組み、23日に立候補を届け出た。
 州議会の最大与党であるPDIPにハヌラ、ゴルカル、ナスデムを加えた4党はアホック氏とジャロット副知事の現職ペアを擁立。各種世論調査で独走状態にあるアホック氏を相手に、残る6党は候補者選びに苦しみ、登録締め切り直前になって候補に急浮上したアグス氏やアニス氏を擁立する運びとなった。
 民主、開発統一(PPP)、民族覚醒(PKB)、国民信託(PAN)の4党は民主党党首のユドヨノ氏の元に結集。ユドヨノ氏の私邸で候補者選定の議論が行われ、23日未明になって候補者名を明らかにした。
 4党はアニス、サンディアガ両氏らの擁立も検討したが、若い候補の起用で一致した。PPPのムハンマド・ロマフルムジイ党首は、ジャワ人で軍人のアグス氏とジャカルタ土着のブタウィ人で文民のシルフィアナ氏のペアを「理想的」と歓迎。出馬に伴い、アグス氏は軍人としてのキャリアを捨て退役、アホック氏の特別補佐官であるシルフィアナ氏も辞職した。
 民主ら4党と相乗りする可能性が伝えられていたグリンドラ党とPKSは、22日夜までに4党との交渉が決裂し、2党共闘で候補を立てることになった。
 グリンドラ党副党首のサンディアガ氏は当初、知事候補として出馬意欲を示していたが、同党のプラボウォ党首主導で議論した結果、アニス氏を知事候補とし、世論調査で現職ペアと拮抗(きっこう)する高い支持を得ていた「アニス、サンディアガ組」で戦うことに決めた。
 12年の同州知事選ではアホック氏を副知事候補として擁立したプラボウォ氏は、「変化への期待」を持って対抗馬を擁立すると語った。
 出馬を目指してきたユスリル・イフザ・マヘンドラ元法務人権相(60)は、複数の政党と接触を試みたが協力を取り付けられず、出馬を断念し、23日、支持者らに謝意を伝えた。(木村綾)

◇ シルフィアナ・ムルニ
 1958年ジャカルタ生まれ。57歳。ムスリム。ジャヤバヤ大学法学部卒。インドネシア大学経済学部で修士号、ジャカルタ国立大学で博士号取得。2008〜10年中央ジャカルタ区長、13年州警備隊長、同年州知事補佐官(観光文化担当)に就任。

◇ サンディアガ・ウノ
 1969年リアウ州プカンバル生まれ。47歳。ムスリム。米ウィチタ州立大学、ジョージ・ワシントン大学卒。97年投資会社サラトガ・インフェスタマ・スダヤ社設立。2005年青年実業家協会(HIPMI)代表。15年グリンドラ党入党、副党首に就任。

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