硫黄と青い炎と 火山・温泉・いちご狩り 東ジャワ州・イジェン山 (2015年08月28日)

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 東ジャワ州バニュワンギ県の活火山イジェン(2799メートル)。地元の人たちの間では硫黄の産地として、観光客の間では世界でも珍しい「ブルーファイア(青い炎)」現象で、知られる山だ。これを見るには夜明け前に火口まで登らなくてはならない。今回は昼の登山だったので、青い炎は見えなかった。が、白煙がもくもくと立つ火口や幻想的な火口湖の眺め、のどかな村々、いちご狩り、温泉など他にも楽しみがたくさんあった。

 ジャワ島の東端にあるイジェン山にはバリ島西端のギリマヌック港からフェリーで向かった。対岸のクタパン港から登山口へは車で約2時間。恐竜の時代に生えていたような見事なシダの木が葉を広げ、苔むした巨木が見下ろす熱帯林の中を登って行く。駐車場に着くと、車は1台だけで観光客の姿はない。「皆、ブルーファイアが目当てだからにぎやかになるのは夜中だけ」とチケット売り場の人が言った。
 ここから火口までは3キロ。踏み固められた道だが、けっこうきつい。倒木に座って呼吸を整えていると、硫黄を担いだ男たちが山を下りて来た。彼らは、ガスマスクが必要な火口の奥から毎日2回、重さ50キロ以上の硫黄をかごに入れて運び出す。硫黄は採掘を管理している会社がその場で1キロ900ルピアで買い上げるという。
■不思議な躍動感
 火口に到着すると中心部から真っ白な噴煙が上がり、その周囲に硫黄の大きな塊が転がっていた。煙の間から塩酸濃度が高いことがうかがえる青緑色の火口湖がのぞいた。生命の存在を許さない太古の地球のような光景。だが、不思議な躍動感に満ちている。これが火山の魅力なのだろう。
 「次回は無理してでも夜が明ける前に来てほしい。鮮やかな青い炎が山肌を流れるから」とガイドのルディさんが言った。青く見えるのは硫黄ガスが燃焼する際に発生する光。ガスは液状に凝縮し、燃えながら流れ落ちる。それが溶岩のように見えるという。イジェンに観光客が来るようになったのは7年ほど前、フランス人の写真家がインターネットで青い炎の映像を流して以来のことだそうだ。
 山を下りて、西のボンドウォソ県に向かった。途中、淡い緑色をした川や滝があった。火口湖から流れてきたのだろうか、指を入れるとピリピリした刺激痛を感じた。広大なコーヒー農園を通り過ぎると、どの家の前にもさまざまな植物を体裁よく植えた村に入った。村を上げての美化運動の一環で、時折美しさを競うコンテストが行われるという。
■熱い! 露天の温泉
 農園内にある宿泊所の周辺には観光用のいちご畑が広がっていた。いちご狩りに用意された容器はすぐにいっぱいに。食べるとその香りの良さと甘さに驚いた。別の農園には、村人が利用する素朴な露天の温泉があった。熱くて長くはつかれなかったが、出た後はとても気持ちが良かった。次回はブルーファイアを見た後に入りたい。(北井香織、写真も)  

噴煙の間からうっすらとのぞいた緑色の火口湖
噴煙の間からうっすらとのぞいた緑色の火口湖
今回は見ることができなかったイジェン山のブルーファイア(2014年12月、堀之内健史写す)
今回は見ることができなかったイジェン山のブルーファイア(2014年12月、堀之内健史写す)

イジェン山の稜線
イジェン山の稜線
硫黄を運び出す男性。まだ暗いうちから始め昼過ぎには終える
硫黄を運び出す男性。まだ暗いうちから始め昼過ぎには終える

いちごは季節に関係なく1年中採れるそうだ
いちごは季節に関係なく1年中採れるそうだ
鉄分の多い温泉。ちなみにこれは男湯
鉄分の多い温泉。ちなみにこれは男湯

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