「大筋合意」正念場 分野、関税撤廃で難航 TPP閣僚会合終える 甘利TPP相「年内妥結共有」 (2013年10月07日)

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 環太平洋連携協定(TPP)交渉の閣僚会合は6日、3日目の日程を終えた。交渉参加国12カ国は8日の首脳会合で難航分野などを詰める。オバマ米大統領不在に加え、交渉国間の経済格差などを要因とするあつれきがあるとされる状況下で、今回の首脳会合でTPP年内妥結の足がかりになる「大筋合意」に達するかに焦点が当たる。
 甘利TPP担当相は6日、閣僚会合で議論した内容を取りまとめ、8日の首脳会談で「大筋合意」し、年内妥結を目指すことを強調した。甘利TPP相は交渉の見通しを「年内妥結の目標を共有する」と語った。年内妥結をにらみ、年内に閣僚会合を再び開催することで調整していると明らかにした。
 TPP交渉では、関税撤廃にかかわる「物品市場アクセス」のほか、特許・著作権などを含む「知的財産」や国有企業改革などの「競争」、「環境」の3分野が難航。だが、甘利TPP相は3分野でも「各国の意見が明白になりつつある」と自信を見せた。
 自民党の西川公也TPP対策委員長はTPP交渉に合わせてバリを訪問。甘利TPP相との会談後、「(TPP相に対して)日本には慎重になるべき分野がある」と伝えたことを明らかにした。甘利TPP相からは「いくつかのルールで進んでいるが、『物品市場アクセス』はこれから」との説明があったという。だが、TPP交渉参加国には厳格な守秘義務が課せられるため、交渉の中身について説明はなかったという。西川委員長は米国の業界団体とも情報交換し、一部の農産物で慎重な党の態度を伝えたと語った。
 政府・自民党はコメ、麦、乳製品、牛肉・豚肉、砂糖などの甘味資源作物の重要5項目を関税撤廃からの「聖域」にするとしてきたが、この聖域に検討の余地が出てきそうだ。西川委員長は「(重要品目から)抜けるか抜けないかの検討はしないといけない」と話し、関税撤廃の対象に含めることにも言及。交渉の速度に取り残されないよう党内の議論も速度を上げる考えを示した。
 ただ、議長のオバマ大統領が4日、政府機関の閉鎖問題に対処するため、会合参加を取り止めたことで、交渉の勢いが失われることが懸念されている。
 米通商代表部のフロマン代表は5日、交渉が難航分野で著しく進歩したとして大筋合意に楽観的な見方を示した。しかし、マレーシアメディアによると、TPPへの消極発言が目立つマレーシアのナジブ首相は6日、「2013年内はとてもひっ迫した期限だ。それが実現可能か各国首脳は議論するだろう」と語っており、交渉をめぐる認識に違いがあることがうかがえる。TPP交渉は過去にも「野心的」としつつも11年内、12年内を妥結目標に定めたが、合意に至らず、期限を延ばしてきた。(バリ州ヌサドゥアで吉田拓史、11面に関連)

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