スラバヤでゲーム開発 東南アジアに初進出 スクウェア・エニックス
ゲーム制作・開発大手のスクウェア・エニックスは、東ジャワ州スラバヤでオンラインやモバイルゲームの開発や運用を行う事業を開始した。今月初めにITコンサルティングやウェブシステム構築の五反田電子商事と合弁会社スクウェア・エニックス・スマイルワークスを設立。
16日、ジャカルタで開かれたゲーム・IT業界のマッチングイベントで、同社の金丸洋明CEO(最高経営責任者)が明らかにした。
スクウェア・エニックスはこれまで米国や欧州、中国に進出しているが東南アジアは初めて。社員数30人で、当面は日本から注文を受けた開発や運用を請け負い、将来的には東南アジアや日本市場に向けたインドネシア発のゲーム開発を目指す。
日本では、ソーシャルゲームの急拡大や少子化などを背景に、ゲーム開発の人材確保が困難になっており、制作・開発企業は将来の市場としての潜在性も見据え、東南アジアへの進出機会を模索している。人口規模が域内最大で日本のゲームも浸透しているインドネシアでの事業体制を確立し、域内の足掛かりとする方針だ。
五反田電子COO(最高執行責任者)を兼務する金丸CEOは「キャラクターの絵を描く人材一つとっても、日本では奪い合いの状況。コストも2倍に跳ね上がっている」と例を挙げる。
進出先をスラバヤに決めたことについて、「物価が安く、洪水や渋滞もない。スラバヤ工科大(ITS)があるにも関わらず、開発の仕事が少ない」と人材確保の必要性を強調。「インドネシアでは、ファイナルファンタジー(同社の人気ゲーム)のコスプレも多いなど、日本のキャラクターの絵をそのまま受け入れてくれる土壌がある」として、市場としての魅力もあるとの見解を示した。(上野太郎)